希望の世界
におけるえんどうまめの行動心理
章ごとに執筆者が変わっていく、希望の世界編。
この追撃編と迎撃編は多少ややこしい。恐らく一読しただけでは全てを把握するのは困難だったのではないだろうか。
僕は、未だに把握できてないです。
再起
さて、本題に入ろう。
まずは 「 追撃編 」 における舞台である 「 sakkyを守る会 」 から考えてみよう。
「 ボクの日記 」 によると、この 「 sakkyを守る会 」 をまめっちが知ったのは12月の終わりごろらしい。
ちょうど、「 追撃編 」 のトップを飾る、渡部さんの日記が始まった頃だろうか。
しかし渡部さんの 「 ワタシの日記 」 が綴られ始めてある12月20日には既に 「 希望の世界 」 を汚す者の抹消という計画が発動しているはずなので、それ以前に 「 sakkyを守る会 」 は設立されていたと考えられる。
具体的には早紀ちゃんが火葬され、亮平君の記憶が戻った、12月10日以降である。
だが読み返してみると、この 「 ワタシの日記 」 内で起きている出来事に関して、まめっちは一切関与していないのだ。
いや、「 関与していない 」 というより、「 関与できなかった 」 が正しいだろうか。
「 続・ワタシの日記 」 での岩本先生の話によると、最初はまめっちを差し向けて渡部さんを刺すつもりだったらしい。
つまり当初の計画では、まめっちに渡部さんを襲わせ殺害、その後岩本サイドがまめっちが渡部さん殺害の実行犯であると警察にタレ込み、まめっちを再びブタ箱へ送ろうとしたのだろう。
まめっちを煽り、操るために 「 sakkyを守る会 」 が作られ、本来ならそれで守る会の役割は終わるはずだったのだが、渡部さんが荒木さんの家を燃やしたことで、話は一転。複雑になっていく。
予定していた計画の変更を余儀なくされ、何もかもやり直しさせられた 「 sakkyを守る会 」。
ところで、この"予定していた計画"について幾つか疑問点があるので述べておこう。
亮平君の人格が戻ったのは12月10日。そしてその翌日に亮平君は健史さんに 「 早紀を汚す者を殺したい 」 という願意を伝えている。
で、そこから本筋となるシナリオが考案されていき、その結果 「 sakkyを守る会 」 という団体ができたと思われるのだが、そのメンバーが謎である。
先の計画からすれば、守る会のメンバーは健史さん扮する 「 カノン 」、亮平君扮する 「 ワルキューレ 」、渡部殺しの実行犯となるまめっちこと 「 ボレロ 」 の3人だけでも充分なのである。
あと 「 sakky 」 の存在と。
しかし、まめっちが言うには
「僕がボレロとして招待された時にはもうカノンもワルキューレもエアもトロイメライちゃんも居た。」
らしいのである。
まめっちと言えど、日記に嘘を書くはずはないので、こうなると 「 トロイメライ 」 はともかく 「 エア 」 というネット上だけの、何の役割も持たない人物が存在していることになる。
健史さんがこんな無駄なことをするだろうか。
まめっちを煽るには、言ってみればsakkyの 「 お願い 」 だけでも充分なのだ。
なのに、守る会をよりリアリティに見せるためか、単なる数合わせのようなキャラを作った目的は何だろう。
さらに 「 ラカンパネラ 」 の名前が出ていないのも気になるところだ。
そもそも、「 sakkyを守る会 」 のターゲットは渡部さんとまめっちの2人だけであり、そのことは 『 プロローグ 』 にも明記されているので間違いないだろう。
一方、後にターゲットとなった川口君は、当時はROMを続けていたので気付かれていなかった。
つまり、計画当初では 「 ROMマニア=ラカンパネラ 」 という虚偽関係は全く考えられておらず、ラカンパネラはボレロとsakkyの奪い合いをさせることで、ボレロによりsakkyへの忠誠ともいえる愛着を湧かすための、一種の煽動的な役割を担っていたと考えられる。
ラカンパネラはそういった存在意義があり、架空のキャラとしてでも充分通用するが、ではエアはどうだろう。
物語の流れの結果から見ると、エアはラカンパネラの弟、つまり川口正義君が演じていたキャラとして設定されていた。
だが、川口兄弟が 「 希望の世界 」 に本格的に関わってきたのは、ROMマニアが掲示板に書き込んだ、1月17日からである。
となると、この場合も 「 エア=川口正義 」 といった関係はなかったはずである。
なら、健史さんはエアにどういった役割を課す予定だったのだろうか。
考えられる可能性は2つ。
1つ目は、元々計画していたシナリオに支障がきたされ、新しいメンバーが必要とされるシナリオに移行する際、新規に登場させなくてもいいように用意された予備のメンバーであったということ。
もう1つは、事が進んでいく中で、「 川口豊=ラカンパネラ 」、「 川口正義=エア 」 という関係が必要とされたため、急遽追加されたメンバーであるということ。
1つずつ説明していこう。
前者は、予備としての扱いなので、必要のない場合は自然に消滅させられるという長所がある。
適当に発言させておくだけでいいので、気楽だ。
後者は、健史さんらしからぬ行き当たりばったりな計画だ。
それに、まめっちの日記にははっきりと
「僕がボレロとして招待された時にはもうカノンもワルキューレもエアもトロイメライちゃんも居た。」
と記されていることから、この説はないように思えるが、実はそうでもないっぽい。
まめっちが、自分より前からラカンパネラやエアがいたと思い込んでいる可能性だってあるのだから。
実際は、まめっちが 「 sakkyを守る会 」 に加わった時点でいたメンバーが 「 カノン 」、「 ワルキューレ 」、「 トロイメライ 」 の3人だけであったとしても、その後あたかも常連であるかのようにラカンパネラやエアを登場させれば、充分騙せるのではないだろうか。
つまり、ラカンパネラやエアが何らかの用事でいなかった間に、まめっちが加わったという形をとるということだ。
カノンらは 「 随分久しぶりじゃないですか 」 と発言し、ラカンパネラらには 「 俺がきてない間に新しい仲間が増えたのか。よろしくな、ボレロ。 」 などと発言させれば、まめっちを騙せるのではないか。
さらに 「 sakky 」 にそういうことを言わせれば、より確実性が増すだろう。
実際、健史さんらがどのように計画したのかは不明だが、恐らくもっと緻密な方法が用いられたのは間違いなかろう。
ROMマニアが現れ、何もかもやり直しさせられた岩本サイド。
せっかく立てた計画が早くも狂い、健史さんもさぞご立腹だったことだろう。
そこで企てたのが、ROMマニアとsakkyを対面させる計画だ。
恐らく、ROMマニアという存在を知った亮平君は、渡部さん、まめっちに続く第3のターゲットとして、その処刑を健史さんに告げたのではないだろうか。
そこで、1月30日にROMマニアを呼び出し、より興味を持たせる。
さらに、2月6日のオフ会で偽sakkyとされている渡部さんをあぶり出そうとしたのだが・・・。
表向きの待ち合わせは、東横線改札前に1時である。
が、ROMマニアと 「 風見 」 君の待ち合わせは、事前の打ち合わせのため高島屋前の広場に12時半頃であった。
この時点での岩本側の計画としては、その広場で 「 風見 」 君がROMマニアを1時過ぎ頃まで引き留めておき、その間に改札前でROMマニアを名乗るボレロが偽sakkyである渡部さんと接触・抹殺するといった手はずだっただろう。
しかし、豊君のイタズラ心により、まめっちより先に正義君が渡部さんに会ってしまった。
それによりまめっちは焦っただろうが、この 「 ROMマニア先取り 」 のタイミングのズレは非常に微々たるものであったと思われる。
「 改札前の階段を下りようとした時、突然誰かに強く押された 」 ということは、改札から階段へ向かう、ほんの数秒の間に既にまめっちがその場にいたということだ。
しかも、ターゲットとしていたsakky ( 渡部さん ) ではなかったとはいえ、そのオフ会に来た人物を休日の駅で不特定多数の人の中から絞り込めたとなると、渡部さんが正義君に 「 ロムマニアさん? 」 と話しかけた時点からいたとも考えられる。
まめっちは待ち合わせの時間に来ていたが、オフ会の目印であるベルを持っている人を探している間に正義君に先を越された、というのが真相なのかもしれない。
先ほど、「 恐らく、ROMマニアという存在を知った亮平君は、渡部さん、まめっちに続く第3のターゲットとして、その処刑を健史さんに告げたのではないだろうか。」 と書いたが、よく考えてみるとこれは間違いだ。
もしも仮に、計画通りボレロがsakkyを抹殺していたとする。
一方、亮平君は風見と名乗りROMマニアに接触。意味のないURLが書かれた紙を渡し、それっきりさようなら。
これが、本来立てられた計画だとすると、ROMマニアはターゲットとして扱われておらず、突き放す形になっているのだ。
何故ROMマニアは処刑の対象にならなかったのだろうか?
もしかすると、ROMマニアが豊君と分かった亮平君は、まめっちは勿論、健史さんを差し向けても無傷では済まないと判断したのだろうか?
奥田組の中で最も評判が悪かったのだから、その恐ろしさは亮平君も充分分かっているはず。
ということは、この時はまだ亮平君は健史さんの本当の力を知らなかった・・・?
と勝手に混乱しているが、皆さんはどう思われるだろうか。
勇姿
「 塊体侵書 」 でも述べた、完全武装のまめっちの勇姿。
鎧、兜、盾、剣と揃っているのだが、その中で異色を放っているのが兜である、防災ずきん。
まめっち曰く、「 小学校の頃から使ってるから僕の気が何年にも渡って込められてる。」 ようだ。
しかし、何故防災ずきんを小学校の頃から使用しているのかが疑問だ。
まめっちが小学校に通っていた時期を調べてみても、防災ずきんが必要な程の大事件は起こっていない。
となると、まめっちが防災ずきんを使用していたのは戦争や災害によるものではなく、それとは別の何かから身を守るために装備していたと考えられる。
「 別の何か 」 が具体的に何なのかは不明だが、例えばパトリシア号に乗る時に親から着用を義務付けられていたとか、独自のファッションセンスで登校していたとか・・・。
残念ながら今となっては兜を含む全ての武器・防具は炎により無くなってしまったが、その勇姿は読者の皆さんの心に深く刻まれたことと願ってやまない。
トロイメライ
3月8日。
「 sakkyを守る会 」 が消え、メンバーと連絡を取りたがっていたまめっちに、1本の電話があった。
相手はトロイメライ。守る会唯一の女性である。
内容はとても短く単純な会話であったが、果たして当時の亜佐美さんにこういった会話は出来たのだろうか。
まめっちの電話後の感想によると、「 そっけない 」 「 無愛想 」 ということである。
これらから連想できること。それは 「 感情の篭っていない話し方 」 だ。
恐らく、後に出てくる正義君の電話の対応の仕方に似た方法が用いられたのだろう。
まるで文章を棒読みしたような感じで亜佐美さんに健史さんが教え込んだのだろう。
トロイメライはsakkyのことを 「 sakky姉様 」 と呼んでいることから、設定としてはまだ若い女の子。
健史さんや亮平君の周りにいる女性と言えば、この頃は亜佐美さんと義母 ( 祖母 ) だけだ。
消去法でいくと亜佐美さん以外考えられないだろう。
自分の考えは言えないが、教え込まれたことなら言える。そんな状態だったのかもしれない。
精神崩壊
健史さんの運転する車にはねられ入院したまめっち。
以前の精神病院とは違う、たぶん正義君が入院している外科の病院だ。
その3階のある病室にて、まめっちは脆くも人格を破壊されてしまう。
この時の状況を考えてみよう。
健史さんは亜佐美さんと亮平君を外に残して、まめっちに面会に行く。
その時の服装は洒落た帽子にサングラス。 「 カノン 」 として 「 ボレロ 」 に接していた時の格好である。
当時まめっちが敵としてみなしていたのは 「 ワルキューレ 」 であり 「 カノン 」 は敵としては扱っていない。
なのでこれはカノンが見舞いに来たという形になる。これを念頭に置いておこう。
さて問題は、どうやってまめっちが狂わされたかということだ。
渡部さんは 「 何か薬を飲まされたらしいです 」 と言っているが、この信憑性は薄い。
まめっち自身が言ったのなら話は別だが 「 カノン 」 という単語を発するのがやっとな状態ではそこまで説明できないだろう。
また、村上さんは何かを打ってまめっちの人格を戻した。
つまり、服用する薬と注射器などで投入する薬の2種類が考えられるわけだ。
が、ここでもう一度渡部さんの言葉を思い出してほしい。
「 何か飲まされた 」 と言えるのは、何かを飲んだ痕跡・・・例えばコップに何かが残っていたとか、そういう根拠があったのではないだろうか。
ならば、粉末あるいは液体の薬であったと考えられるのだが・・・・・。
ここで別の疑問が浮上する。
亮平君の望みは 「 殺すこと 」 ではなかったか?
確かにまめっちの 「 人格 」 は殺せたが、「 存在 」 自体は殺せていないのである。
健史さんは薬で殺そうとしたとも考えられるが、「 カノン 」 の差し出した物を飲むほど油断していたのなら、薬でなくても殺るのは可能だったはず。
それに健史さんはまめっちが苦しんでいる姿は見たものの、肝心の息を引き取る瞬間は確認していない。
従って、まめっちに対する殺意はなかったとも考えられなくはないのだ。
この説をさらに裏付ける証言として 『 プロローグ 』 の4月19日の日記が挙げられる。
その日の日記には健史さんが自分の問われる罪を考えているのだが、その中で 「 遠藤を狂わせ、川口の目をエグり、渡部をブタ箱行きにした。」 という一節がある。
まめっちが薬を飲んで苦しみ、その後どうなったのか確認していないにも関わらず 「 狂わせた 」 という表現を使用しているということは、最初から 「 狂わす 」 ために薬を飲ませたのではないだろうか。
本当に殺意があれば確実に 「 死 」 を確認するだろうし、そのことは風見君の件でも分かるだろう。
なのに、こんな不確実で結果を知ることができない方法をとったのは何故だろうか。
今まで都合の良いように動いてくれたから?直接早紀ちゃんには接触してないから?
それとも、結果はどうあれsakkyに 「 えんどうまめ 」 や 「 TOMO 」 として接し、ネットの楽しさを教えてあげたから?
まめっちが殺されずにいたのは、カノンなりの餞別だったのかもしれない・・・(?)。
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